サイトの移転準備を、終えて

サイトが遊び場。そういうときが、確かにあった。

私がサイト製作をするようになったのは、ADSLが申し込めるようになった、十年前のこと。書いてみて、まだ十年しか経っていないことに気付かされるが、ネットの変わり様には驚かされる。かつての十年と今の十年では時間の早さが全く違う、とある技術者は言っていたが、まったくだった。

私は工業高校の生徒だったから、授業としても教わった。社会に出てからは、会社のものをいじったりもした。しかし今は、サイトで何をしたいかが大事で、サイト自体の追求は、限界に来ている。技術者ならともかく、それ以外の人にとっては、あまりにも環境が整備されてしまった。しかし、これをいわゆるWeb2.0などと思うのは、錯覚だったし、現実には、技術を解さずにネットに触れられるようになっただけのことだった。

車などにも言えたことだけれど、一度でも楽な付き合い方を見つけてしまうと、それまでの自分が馬鹿らしく思えるぐらい、まったく、楽になる。一方で、そうしなければ自分を新たにできない、という、切迫したものもそこにはあるように、感じられる。

『楽』は、木の台に載せられた太鼓の一種を、表すという。