覘き小平次(京極夏彦)

覘き小平次、読了。

覘き小平次 (角川文庫)

覘き小平次 (角川文庫)

ここ一ヶ月ほどは資料とか漁ってたもんで、っていうか微妙に気が抜けてたので(これはここ半年全般に言えるんですが)、年末向けて大分きっちりしてきました。読書のペースが守られてるときは管理できてるときのようで、まあ若い内にそろそろ自分のやり方っての確立せんといかんよなあ、とか思うようになってまいりました。

さて、四十過ぎたおっさんが押入に籠っている小説(もとい怪談)なわけですが、本人は立っているだけで話が出来上がっていくという、なるほどこれは京極さんの作品としては凄くわかりやすい。京極さんの作品を読んだことの無い人が合う合わないを判断するには、嗤う伊右衛門よりも良いと思う。

ところでちゃっかり「放下の徳次郎」がおるなあ、これ(巷説百物語「塩屋長司」)。まあ私は友人に恵まれたおかげで大体読ませてもらってるけれども、あまり熱心な読者とはいえないので、これがどういう遊びなのかはよう知らんのです。

面白かったかどうかで言えば、「こういう話」としてのおもしろみはあるけれど、小説としてはとっちらかってますよね、というところです。嗤う伊右衛門の方が全体としてはええんですが、折々のキレっぷりはこちらが目立つかな。人物も特色があって、面白いです。ただし、良くも悪くも、という点は断っておきます。

ところでこれ、最初の辺りの三章分ぐらいと、以降とで、文章が違っているように思えるんですが……当時何かあったんですかね。それとも構成上の考えからなんでしょうか。

ついでなんで書いておくと私は「読んだもの片っ端から感想書くわけじゃない」ので、悪しからず。