機動戦士ガンダムUC第八巻について

今日は暇ってことで、昨晩から朝方にかけて読了。

もうネェル・アーガマがぼろぼろでぼろぼろで、物語が終わった後に処分されるならともかく、途中で動かなくなりそうで、ハラハラもの。

とりあえず今回は、いてもいなくても良い人が出てきて、死んだという話でしたね。それ以外の人はほとんど死んでないという、丁寧さ。フル・フロンタルについてもようやく情報が出てきたので、いよいよ終わりに来たな、という実感が湧いてきました。

それにしても、予定調和的な物語なのは間違いないんだけど、福井さんはよくやっていると思います。軍閥とかの部分から見るガンダム世界の異質さみたいなものは、富野さんがちょちょっと書いた小説じゃ見られませんので。ただまあ、もうちょっと展開に幅が欲しいかなあ、とは思います。短編ならともかく、シリーズモノだけに。それが福井さんに求めて良い部分なのかどうかは、量りようのないことなのですが。

どうも後半になればなるほどわかってきたことだけど、福井さんに合ってるか合ってないかといえば、合ってないんだとは思う。批判的かと思うと妙な解釈をして読者に見せ付けたりして、混乱が見られる。場面転換をふんだんに使うことで、あえてそういう部分が目立たないようにしているのは、大したものだと思います。登場人物の主観の違い、で済みますから。政治的な話をあまりしないようにしてるのは、そういう逃げ方しないためなのか、どうなのか。

とりあえず喜ばしいのは、まとまった形でジオン共和国解体までの流れを質のある作品として残してもらえるということなので、細かいことはガンダムを本当に好きな人たちに一先ず任せたいと思う。案外、福井さんもそれぐらいあけっぴろげにやってるかもしれないですからね。