『とある魔術の禁書目録』第十八巻について

読書メーターにも追加しましたが、前回、こちらに書いたのでこちらでも書いておきます。前回からの延長線上にある事柄以外には触れませんので、直接的なネタバレにはなっていませんが、念のためご注意ください。

先ず、霊装について。これについてはこれまでの中で一番読み応えのある筆致になっていて、アックアと騎士団長とのバトルに膨らみを持たせることに成功しています。一巻丸々、その対決に費やしても良かったぐらいです。あながち冗談でもなく、それくらいの方がこの話は栄えるでしょう。

というのも、肝心の上条が一時期のインデックスのように、小道具としての役割しか与えられておらず、ここら辺は次回以降の展開のための準備に終始してしまった感があります。

一応、今まで何度か触れたことがありますが「もしインデックスが前面に出てくるようなことがあれば、話の山が近い」わけで、どうもそのときのようです。あまりうかつなことを言っても、私自身、興が削げかねず、控えたいとは思っています。

ここからは完全に個人的な好みなのですが、あれだけのことをしておいて人死にがほぼ皆無なのは、キャラクターと物語の兼ね合いを考えてのこととはいえ、いささか片手落ちでした。勧善懲悪でなくてはならない、などと言う気は全くありませんが、事象ごとの因果関係が曖昧になったままで終わってしまい、ここら辺は連続したシリーズものである以上、看過しなければならないとも思っています。

以上、ざっと書かせていただきましたが、ファンの期待を裏切ったとは言えない出来だと思いますので、まだの方は是非、どうぞ。