姉貴は俺に変な思い出ばかりを与えた

うちの兄弟は仲が良い……わけではないのだが、色々とあったおかげで、接点は多い。それでも共通点は少ない。

姉貴:普通科出身の現実派。母方に似て、恐ろしく器量が良い。睨まれると一生忘れられないくらい怖い(知人談)。歯科関係の道に進む。兄弟で唯一の既婚者。ただし、白くて何やら変な味のするスープ状の料理に関しては、未だ私にトラウマを残す。多分、作った本人は覚えてない。

兄貴:電気科出身。変人。石原裕次郎松田優作のとんでもエピソードを聞いても「なーんだ、うちの兄貴と似たようなもんじゃん」と思う程度には変である。周囲にしてみるとはた迷惑さが目立つが、基本的にはいい人。料理が得意。

私:電子機械科出身。問題児。思い出したように山やら谷やらをぶらつく悪癖がある。十歳の時点で名古屋の市街を勝手に出歩き、祖父から猛烈に怒られている。反省しなかったようで、成人後にも何度か似たようなことをしている。

一応の共通点としては、

  • 野球(姉はソフトボール)経験者
  • 友人知人が多い
  • 性格にむらっ気がある
  • 目が悪い(笑)

などなど。

姉については残念ながら一部の記憶を除いて、特に親しくできてはいない。それというのも「色々とあった」のが姉の結婚直前だったためで、落ち着いたときには嫁に行っていたわけだ。

では兄はどうかというと、小さい頃から引っ張り回されていた。中学以降は友だちを呼んでは馬鹿騒ぎをしていたし、私が思春期に入ると軋轢から新聞紙炎上事件(笑)も起こっている。ただ、良い記憶もあって、小学校から不登校だった私を自分のクラスに連れて行ったりしていた。もっとも、良い記憶だなんて言えるのも今だからで、当時は鬱陶しかった。しかし重要なのは、良し悪しではなく、後々によく知り合えるだけの下地を作っていたかどうかだと思う。接点が無ければ、謝ることも、思い出して(笑)うことも、できない。

さて、くにおくんだ。

……ああ、他のテキストからコピペし間違えたとか、そういうのではありませんよ。

くにおくんです。

くにおくんなんです。

兄とよくやったゲームが、くにおくんだった。一番やったのはダウンタウン熱血物語。次点で時代劇、行進曲。他のゲームはといえばファミスタなどだが、くにおくんほどやった覚えは無い。一人でやっていたのは大体、スターソルジャーなどのシューティングだった。

何故に熱血物語だったかといえば、恐らくはプレイ時間の問題だと思われる。このゲーム、ストーリー仕立てながら、慣れてくると一時間ぐらいで終わる。

当時はゲームなんてのは一日一時間ってのが冗談抜きで普通だったし、RPGなどを除けば、実際にもそれくらいが一番のプレイ時間だったように思える。今のように大容量化が進んでしまうとなかなかそうも言っていられなくなってしまい、少し残念に思う。携帯ゲームのシステムは大分頑張っているが、あれはこまめにやれるだけで、プレイ時間自体はむしろ増えている。

主立った魅力は、多彩なキャラクター、はっちゃけた台詞、文字通り手に汗握るボス戦。音楽もスカした感じがとても良い。あと、硬派じゃない(笑)。これらは以降のシリーズにも共通しているが、必殺技などはあくまでもおまけに過ぎない。大体からして、通常攻撃などの基本操作に快感がある。

この頃の操作性はかなり重要で、悪い(惨い)ものが多くあった。後にヒット作や名作と言われるもののほとんどは、この操作性が素晴らしかったりする。やり込み要素のあるなしよりも、やり込みたいと思えるかどうか。それこそが大事だった。今のゲームについて語るとき、世代が下の方と話して噛み合わない場合、今のゲームはつまらないなど考えるのはくだらない。操作性は良くて当たり前、バグも無い。やり込み要素は最初から提供されている。昔を前提に話して、合うわけがない。求めている醍醐味が違うのだから。

その醍醐味をくにおくんでたっぷり味わった兄と私だったが、後に龍が如くにハマったりもしている。もしかしたらくにおくんで作られた下地が、今も残っているのか。

さておき、私らがゲームをしている一方、姉はグランドピアノでエリーゼのためにを弾いていたわけだから、今思うと変な家庭だったと思う。

……え? for eliseについて語らないのかって? HAHAHA、常連さんはごまかせないなー。AHAHAHAHA。

精神安定剤やるから失せろ(癒し系)。