ロリによる喫煙問題

近頃、私が入院中に「とある魔術の禁書目録」を一挙全巻差し入れるということをしてくれたKと、休日にはアニメ版を見ている。

なお入院中当時の礼をきちんと明文化しておくと、そもそもの流れとしては、

原稿を書くに書けない、ドレーンが胸郭にぶっささっているため動くのも嫌な状態。本でも読もうかと思うが、分厚い研究書とかしか無い。そんなもん読む気にもなれない。普段なら嬉々として読んでいるのだからまさしく重症。仕方ないので道警の腐敗を描く本格派小説なるものを読むが、道警ものにありがちな出来の良し悪しが極端な作品だったために、腹が立っただけで一日目終了。ところで道警もので当たりを読んだことが無いことに今気付く。京都府警ものははずれで間違いない、が持論だが、道警も駄目な気がする。作家性が強過ぎるんだろーなー、って、ああそれで新人賞とかで箔が付きやすいのかなんだその作家と出版以外には罠でしかない危険物。

んでもって、その一日が終わる頃、「何かこう物語形式でさらさらさーらりと読めて時間つぶしに持ってこいなもんはねえかんのお」とKに電話で相談し(よくよく考えるとこの時点で結構酷い)、何を思ったか最終的には、「いいから俺が読んだことのない小説を、ラノベでもなんでもいいから読めるもんなら全部読みやがれーってな具合で持ってこい!」と脅す私。

更に翌日、ベッドの片隅が埋め尽くされる量を持ってくるK。内訳は禁書目録の他、ダブルブリッド嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん、あと西尾せんせの幾つか(よく覚えてない)他。大体、全部で三十冊ぐらいと、担当女医が「こ、これ全部読む気ですか?」と、私の容態っつーか頭を心配する発言をする量であり、ところでこの先生はえっらい眼鏡が似合う美人かつそこはかとなく新人らしい天然っぷりがあり、是非とも無形文化財にでも認定して眼鏡代金ぐらいは国で補助してやってほしいのだが、まあそれはそれとして、えらい量である。二つ目の穴が肺表面に空いたのもこの所為ではと疑いたくなるが、一応誤解が無いように言っておくとこれは冗談で、気胸は厳密には原因不明である。今の時代、病気に関する冗談は怖いのであった。

まあいずれにしろ、あのときはKに世話になりました。ありがとうございました。

何の話だったか、そうそう冗談みたいな話、じゃなくてラノベ、じゃねえよ禁書目録。他の話は止めておく。これが大体、三日四日がかりで、当時の最新刊である十五巻までとSS外伝を読む。

全体の印象は、「俺は根暗が嫌いなんだ!」となんたらヨットスクールよろしく拳で若者だけでなく老若男女を矯正させていく感動バラエティ巨編というもので、まあ間違ってはいまい。今の時代、女性相手でも殴るぐらいでなくては娯楽にならないのである。「お、俺は女に手を出せない!」とかいう考え方すら主人公の刀麻君には修正対象になろう。

で、この小説、厨房臭いだのなんだと連載当初からもっぱらの評判、という話を退院後に知ったのだが、話を聞いてみればなんてことはない、ネーミングセンスや設定周りのことだった。まあ、「あいつうんこの臭いすんだぜえ」みたいなもんで、大概は根拠が乏しいもんである。

それよりも注目すべきは、自己主張をして殴って回っているだけの刀麻君の人望がある点で、もしやこの小説は現代っこの暴力コンプレックスの現れなのではないかと思うが、そういう小難しい難癖は新聞の投書欄に任せたい。小説の中で殴ってすっきりと済むならそれは大変結構だろう。黄門様だってすっきりするために部下を使って何の罪もない藩士を殴らせているのだから、むしろそれこそどうよであった。

ところで今回の記事、そもそもは「アニメ版で心配なことを挙げよう」という動機で下書きを始めたが、この行まで突っ走ってしまったため、このまま続ける。ここまでにかなりの人が脱落しているだろう。

まず、ロリ先生こと小萌先生のヘビースモーカー設定である。この設定、後にマグヌスの未成年者喫煙を注意する辺りでようやく活きてくるが(っていうかよくあれが中学生相当だとわかったな先生)、ぶっちゃけ彼女自身はただのロリ風スモークドランカーである。アニメ第二話でも灰皿の惨状が再現されていたが、この教師は学校でも吸っている。煙害防止グッズは使用しているが、心配だ。

次に、錬金術師の際のマグヌスの描写と、レディオノイズの路地裏描写。要するにグロ描写だが、個人的にはマグヌスのやられっぷりは見たくもあり、っていうかよく思い出してみたら錬金術師のときは色々とグロかったのだが、どうするんだろ本当。

ところでエンジェルフォールは無しですか。声優入れ替えて〜とかやると思って楽しみにしているのですが、きっと一方通行ぶん殴るとこまでで終わりなんだろうなあ。ま、どうせ神裂は最新刊まで見せ場が無えし、良いか(笑)。やるならラジオドラマとかの方が向いてそうでもあります。

さて……なんということでしょう。書く動機になったことがたった二段落で終わってしまいました。

これも全て、乱発されるアニメ化企画が悪いんだ。きっと。