『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』第七巻について

ちょうど暇だし天気も良いので、とかいう気分次第で、一度ぶっ飛んだ前歴のあるHDDを部屋の掃除がてらリストラしてみる。そして訪れる後悔。「ああ、あいつにも生活があったろう。よく頭の回るやつだった。たまにぶっ飛んだアイディアを出していたな」とか適度に記憶を改ざんしながら、ドスパラで注文したHDDにさっさと換装。リカバリは暇だしKに借りたみーまーを読み終えようと、第七巻に手を伸ばす。

んまあ、これどういう話なのかってたまに聞かれるんですが、「戯言なんちゃら(私がうろ覚え)にインスパイアされた人が書いたら別物になったようなならなかったような」作品だとKは言っていた、気がします。そもそも私は戯言なんちゃらを読んだことがないので比べようがなく、大体「入院して暇だから俺の読んでない本なんでもいいから持ってきて」とか言いつけでもしない限りは小説を読まないという無頓着さなので、なんともはや。

いやー、だってそーじゃないですか。小説は一つ一つがお約束の塊なんですよ。そんな毎度毎度頭切り替えて読むのを定期的に繰り返すだなんて、脳みそ畸形過ぎますよ。そりゃ読書が趣味って履歴書に書いてあったらさしものワシも躊躇しますよ。多分、一般と違うんだろう、この理由。

そんなわけで私は十字軍の海上輸送の方法だとか貴族の騎士就業体系とかサラーフ・ウッディーンの立身っぷりだとか読んでる方が性に合ってるんです。でも近頃は春秋と名のつくものばかり読んでいます。

左氏伝の閔公の章はいつ読んでもへこみます。お前死ぬのはえーんだよ、僖公どんだけがんばれってんだよ、僖公左伝とか揶揄されてかわいそーだろー、とか思っていた私の心を適度に救ってくれた、そんなみーまー、もといK君の功績大。

で、どういう話かっていう話です。ちょうど文中にこれまでのまとめがあったので、引用させてもらう。人物名の部分はネタバレ防止のため省略します。

 足と腕をナイフで抉られながらも勝利。
 パイプ椅子による凶器攻撃が頭部に多大に飛来するも勝利。
 いつも通り、蹴られまくる。唇の端切れた。なんか負け。
 両腕を折られ、また頭部をぶっ叩かれる。無抵抗で敗北。
 土手っ腹を二発撃ち抜かれる。でも相手の顔面を流血コーディネートして勝利。ついでに(人物名)も血の滴る生臭い(性別)に仕立てた。(代名詞)は今どうしてるんだろう。


いやあ、みーくん丈夫だなあ。まあここまで入院するボケもそういないな、とKに聞いたらば「戯言の人も入院はしてる」だそうで、そうか密室というものだな、と思いました。ええ、そのとき私は入院してましたので自虐ネタです。

けんども、ミステリーではないので皆さん安心して読むといいです。まあ私は常日頃「ミステリーとSFとホラーはほぼ同じもの」と主張していたようなしていないような頭をしているので、かなり偏見がありますが、そもそも小説を読んでないとか書いてあった時点でその筋の人からの信用は失っているとみてこの段落で書いたのです。どうだろう。

みーくんは「如何に自分の知覚できる範囲から危険を抹殺するか」に全神経を比喩抜きで注いでいるので、その点で非常に気楽に読めます。内容は気楽なんだろうか? まあ、さしもの(略)。実際、結構うざい部分もありますが、たぶんあれはマフラーの排気みたいなもんで、作者がアイドルするときに必須のものなのだろうから、それぐらいは無視すべきでしょう。嘘吐きから嘘を取り上げたら狼に殺されるしかないんです。

ああ、そう、そういえば、今回の第七巻が出るということになったとき、てっきりもう終わったもんだと思っていた人らがいたようで、あとがきで「すんません」とか書いてあったんですが、いやあ、そんなまともな読者もいたんだね。俺たちゃ普通に「げらげらどてっぱら撃たれたげらげら次もげらげらだな」とかやってたのです。いや、だってあいつら死んでも別に……。

とかだらだら書き連ねていたらアップデート作業が完了したっぽいので、さよなら。